【資料の解説】住宅型有料老人ホーム問題解決のための法改正のまとめ 厚生労働省の本気
令和8年7月29日、有料老人ホームにおける望ましいサービス提供のあり方に関する検討会(第8回)で出された資料。
後編は、住宅型有料老人ホームに規制や新ルールを設けるための、様々な法改正についてまとめられた資料です。
あらためて、厚生労働省の【本気】がわかる内容です。
前編の「有料老人ホームの現状と課題について」の資料解説とセットでご覧いただけると、今後の方向性の理解と納得がしやすいと思います。
それでは、解説をしていきます。
社会福祉法等の一部を改正する法律について【報告】
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001729451.pdf
↓解説はこちら
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有料老人ホームにおける望ましいサービス提供のあり方に関する検討会とりまとめ(概要)

・有料老人ホームについて、登録制といった事前規制を導入する必要性
→「事前規制」という単語に注目です。
→実質的な「許認可」に近い運用がなされていく可能性が高いと思われます。
・公益社団法人等が一定の基準を満たした入居者紹介事業者を優良事業者として認定する仕組みの必要性
→「職業紹介事業」でも優良認定制度が意味をなしていないので、これについては無意味と思われます。公益社団法人を作りたいだけかな、とも思われても仕方がありません。
・紹介手数料の算定方法等(月当たり家賃・管理費等の居住費用がベースとなること)の公表の必要性
→不動産仲介と同じく、月当たり家賃が紹介手数料のベースとなっていきそう。
→紹介手数料が具体的に公表されることについては、一定の意味があると思われます。
→これは、早期に行わないと、宅建業の意味がなくなってしまう。
・行政処分を受けた事業者について、役員等の組織的関与が認められる場合には、一定期間、事業所の開設を制限する仕組みの必要性
→こちらも宅建業と同じ仕組み。
→法人+役員という個人に対してペナルティが付きますので、別会社に業務を移動させたとしても、役員が同じ場合は業務が行えなくなります。
・ケアマネ事業所やケアマネジャーの独立性を担保する体制確保の必要性
→これが新しい「登録施設介護支援」に繋がっている。
→ただし、実質的に独立性の担保にはならないのが課題。
・介護サービス等と同一・関連事業者の場合、住まい事業と介護サービス等事業の会計が分離独立して公表され、その内訳や収支を含めて確認できる必要性
→会計独立は現在も行っていると思うが、介護サービスの金額から、集中率の現状把握が行いやすくなる。
【法律の整備】
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社会福祉法等の一部を改正する法律(令和8年法律第51号)

⑸ 有料老人ホーム制度の見直し
中重度等の要介護者を入居させる有料老人ホームについて、都道府県等への登録制度を導入します。また、その入居者に対する相談支援を行う「登録施設介護支援」を新設し、利用者負担を求めます。
→ 住宅型有料老人ホームの居宅介護支援事業を新設し、利用者負担(1割)を求めていくことの確認です。
→ 登録施設介護支援は、実は住宅型有料老人ホームの登録制の仕組みではなく、今後、居宅介護支援に対して利用者負担を求めていくための布石というのが実情でしょう。まずは一部でもよいので利用者負担の実績を作ることが目的と思われます。
7ページ、8ページ
老人福祉法に基づく有料老人ホームと、介護保険法に基づく特定施設入居者生活介護(介護付き)の、法律のすり合わせ及び改正。


→ これまで法の問題で踏み込めなかった、住宅型有料老人ホームに対して、行政が関与できるように法整備しました。
→ この資料がよくまとまっていますので、お時間がない方は、このページを熟読いただくのみで大丈夫です。
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介護保険事業(支援)計画の見直し

市町村が策定する介護保険事業計画において、
● 有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅などの入居定員
を勘案することとします。
介護サービス見込量について、地域全体の実態に即した見通しを立てます。
→ 住宅型有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅の入居者を、入居施設としてカウントしていきます。
→ 特養やグループホーム等の新規枠に影響を与える可能性
→ ただし、住宅型からの「転換」のための特定施設枠は出されていきます
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社会福祉法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議
衆議院・厚生労働委員会における附帯決議(令和8年5月22日)(抄)
登録対象ホームの入居者に係る介護報酬上の取扱いについては、集合住宅向け訪問介護等と地域訪問型サービスとの評価の在り方について、過剰サービスの誘発を防止する観点から精査すること。
→立ち入り検査が増えていくのか?
「囲い込み」の解消に向けた対策の実施に当たっては、特定のサービス事業者の利用を入居の条件とする行為の禁止や、ケアマネジメントの独立性確保のための措置が、単なる形式的なものにとどまらないよう、実効性を厳格に担保すること。特に、登録対象外のホームを含めて、系列サービス事業者への不自然な集中や、利用者の自由な選択を妨げる不適切な誘導が行われていないか継続的に把握・検証を行うとともに、利用者本位のサービス選択が真に保障されるための運用上の監督を強化すること。
→入居条件が、ケアマネジャーの変更、併設介護サービスの利用となっていないのか、厳しくチェックしていく
住宅型有料老人ホームの登録制への移行に当たっては、未登録運営及び虚偽報告を防止するため、市町村から都道府県への未登録疑い施設の通知の徹底、罰則の実効的適用及び自治体の指導監督体制の整備等の措置を講ずること。
→「罰則」をどのように適用していくのか?が課題
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社会福祉法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議
参議院・厚生労働委員会における附帯決議(令和8年6月18日)(抄)
中重度の要介護者等を入居させる住宅型有料老人ホームの登録基準の策定に当たっては、要介護三以上の者の安全性確保、夜間における緊急時対応並びに介護・医療ニーズへの対応等の観点から、必要な人員配置基準を法令上明確化するとともに、現行の標準指導指針を遵守する既存ホームの円滑な移行に必要な経過措置を設けること。
→「特定施設への移行」、「特定施設外部サービスの利用」、「新しい包括点数」等により、人員配置が義務付けられる
登録対象外のホームを含めて、系列サービス事業者への不自然な集中や、利用者の自由な選択を妨げる不適切な誘導が行われていないか継続的に把握
→「不自然な集中」「不適切な誘導」がキーワード
17ページから26ページ
○老人福祉法(昭和38年法律第133号)(抄)(改正後)
第二節 登録有料老人ホーム
(登録等)
第二十九条の十六 有料老人ホームであつて、登録有料老人ホーム事業(介護等の供与が必要な状態が政令で定める要介護状態区分に該当する
状態その他これに準ずるものとして政令で定める状態にある者を入居させ、介護等の供与をする事業をいう。以下同じ。)を行うものを設置
しようとする者は、あらかじめ、その有料老人ホームごとに、厚生労働省令で定めるところにより、当該有料老人ホームを設置しようとする
地の都道府県知事の登録を受けなければならない。
2 前項の登録は、五年ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によつて、その効力を失う。
3 前項の更新の申請があつた場合において、同項の期間(以下この項及び次項において「登録の有効期間」という。)の満了の日までにその
申請に対する処分がされないときは、従前の登録は、登録の有効期間の満了後もその処分がされるまでの間は、なおその効力を有する。
4 前項の場合において、登録の更新がされたときは、その登録の有効期間は、従前の登録の有効期間の満了の日の翌日から起算するものとす
る。
5 市町村長は、第一項の登録を受けていない疑いがある登録有料老人ホーム事業を行う有料老人ホームを発見したときは、遅滞なく、その旨
を、当該有料老人ホームの設置予定地又は所在地の都道府県知事に通知するよう努めるものとする。
登録有料老人ホームについては
第二十九条の十六から三十六まで。
→老人福祉法の改正で「登録制」が明確に。
この「登録制」に様々な条件が付加されていきます。
27ページ
老人福祉法(昭和38年法律第133号)(抄)(改正後)
第三十八条から第四十一条。
罰則が大幅に強化されます。
28ページ
第二十四条
3 第一項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をしたときは、当該違反行為をした者は、三十万円以下の罰金に処する。
4 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前項の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、同項の刑を科する。
→老人ホームの無届または虚偽の報告の場合の罰則が新設されました
残りの資料は参考程度で大丈夫です。
30ページから48ページ
登録施設介護(予防)支援について
です。
特記することはないため、介護保険法が改正されたことを、できれば原文で読んでおきましょう。
49ページ
サービス付き高齢者向け住宅で行われるサービス

「サービスとは介護のことではない」ということを、しっかりと認識しておきましょう。
「状況把握・生活相談」、これがサービスであり、主なサービス付き高齢者向け住宅の役割です。
50ページ
有料老人ホームで行われるサービス
有料老人ホームの設置運営標準指導指針について
https://www.mhlw.go.jp/content/000934510.pdf
こちらは、資料より原文をご覧いただいた方がよいです。
有料老人ホームが提供するサービスとは
1.食事サービス
2.生活相談・助言
3.健康管理と治療への協力
4.介護サービス
5.安否確認又は状況把握
6.機能訓練
7.レクリエーション
8.身元引受人への連絡等
9.金銭等管理
10.家族との交流・外出の機会の確保
の10項目です。
よく、「食事を提供したら有料老人ホームとみなされる」と言われているのですが、これは正しくもあり、間違ってもいます。
正確には、「上記10項目のうち1項目でも行っていたら有料老人ホームとみなされる」です。
サービス付き高齢者向け住宅や、シニアハウス等を運営されている方は、あらためて認識をしていただければと思います。
サービス付き高齢者向け住宅の「サービス」とは何なのか?
有料老人ホームの本来の役目は何なのか?
あらためて、見直しておきましょう。
関連情報
有料老人ホームにおける望ましいサービス提供のあり方に関する検討会(第8回)の資料について(令和8年7月29日)
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_74992.html
社会福祉法等の一部を改正する法律について【報告】(令和8年7月29日)
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001729451.pdf
有料老人ホームの現状と課題について(令和8年7月29日)
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001730192.pdf
有料老人ホームの設置運営標準指導指針について
https://www.mhlw.go.jp/content/000934510.pdf
こちらもセットでご覧ください
#有料老人ホーム
#介護保険法
#老人福祉法
#社会福祉法
