【はじめに】
介護事業を行うには、人員配置基準として、必ず、管理者が必要です。
しかしながら、管理者は何を行うのか?という定義はありません。
また、介護に関する研修はたくさんあるのですが、管理者になるための研修というのはありません。
強いて言えば、「認知症対応型サービス事業管理者研修」でしょうか。
今回は、管理者とは何をしたら良いのか?どうあるべきなのか?という点について
【管理者の教科書】と題して、15項目について、前編、中編、後編にわけて解説を行っていきます。
※決して経営者の教科書ではありません。管理者の教科書ですので、ご了承ください。
【目次】
1.管理とは何なのか?
2.職員は友だちではない
3.第一線から離れる
4.現場をきちんと回す
5.介護保険のルールを熟知する
6.管理者が把握する数字
7.情報収集
8.外部ネットワーク
9.信頼づくり
10.職員を育てる
11.社内研修
12.伝えると伝わるは違う
13.クレーム対応
14.不正請求の禁止
15.求人活動
【管理者の教科書】前編 1~5
1.管理とは何なのか?
管理者の仕事は、一言で言えば
・自分がいなくても、きちんと回る仕組みを作る
です。
方法としては
・ガチガチのルールで回す仕組み
・職員が自主的に考えて、最善の方法で回す仕組み
・恐怖と懲罰で回す仕組み
などがあります。
どの仕組みにも、メリットとデメリットがあります。
何を選ぶのかは、管理者が決めることです。
優しいと緩いは全く違うものです。
ただし、恐怖と懲罰で回す仕組みは、最終的に崩壊しやすいですので注意しましょう。
↓音声解説はこちら
2.職員は友だちではない
管理者になると、職員さんとの距離感が難しくなります。
これまで仲間だったのが、上司になるわけですので。
これを不安に感じてしまうと、管理職としての仕事ができなくなります。
仲良しこよしを目指すのではなく、良い介護を行うための、良いチームを目指す。
大切なのは、教育と文化づくりです。
正しい介護の知識と技術、そして、自分たちが行うべき介護とは何か?という法人の理念の徹底。
そして、理念に基づいた、利用者さんのための介護。
この仕組みづくりを行うのが、管理者の仕事です。
職員さんは友達ではなく、良い介護を行うための仲間です。
3.第一線から離れる
管理者に選ばれる際、プレーヤーとして優秀な方が選ばれやすい傾向にあります。
ただ、プレーヤーとして優秀なことと、管理者として優秀なことは、全く違うことです。
プレーヤーとして優秀な人ほど、部下に任せる事ができず、ついつい自分でやってしまいます。
また、自分とやり方の違う部下に苛立ってしまい、パワハラ上司になる可能性も高くなります。
基本的に、管理者は現場の第一線から離れることが重要です。
・介護の管理者の場合は、現場は当然にできるけど
・自分が動かない
介護の管理者の場合は、現場は当然に誰よりもできるけど動かない
自分自身が中心になって動いていると、部下は分身ではなく手足になる
自分自身に都合よく動かせる奴隷に近くなる
・部下に動いてもらう
どうやったら、部下が活躍できるのか?(場作り)
どうやったら、リスクが少なくなるのか?(リスク管理)
どうやったら、意味のある研修になるのか?(教育)
どうやったら、現場がスムーズに回るのか?(仕組みづくり)
自分1人の力より、チームが一体となった力の方が大きいことを知る。
チームを一体にしていくのが管理者の努め。
4.現場をきちんと回す
管理者の仕事として重要なことは、現場をきちんと回すことです。
言い方を変えると、人繰りです。
採用戦略は別項で述べますが、
現場を回すために、シフト作成は管理者の仕事である場合が多いです。
このシフト作成、簡単なようで難しいのですよね。
雇用形態、勤務時間、職員の相性など、パズルゲームです。
特に介護業界では、「指定休」という謎の制度が課題です。
法定休日を指定する、という謎の文化は医療・福祉の独自の文化です。
基本は会社が決めた日程に従ってもらうこと。
その上での変更は、職員同士で行う、というのが基本です。
ただし、イレギュラーは発生します。
女性の職場で特に大変なのが、学校行事子どもの体調不良など。
この場合はイレギュラーとして「お互い様」で乗り切る。
イレギュラーは、あくまでイレギュラーです。
ルールはルール。
このルールを徹底した上で、イレギュラーはお互いの気配り・心配りで対応していくことが重要です。
イレギュラーをルールに組み込むと、ワガママが加速します。
5.介護保険のルールを熟知する
これは基本中の基本なのですが、管理者は介護保険のルールを熟知する必要があります。
ルールとは何なのか?
以下のものを熟読しましょう。
まずは社会保険研究所から出版されている
介護報酬の解釈 1 単位数表編
介護報酬の解釈 2 指定基準編
介護報酬の解釈 3 QA・法令編
の3冊。
自分の介護事業所に関しては、絶対に熟読して理解しておかなければなりません。
特に加算の基準、人員配置基準については、特に重要です。
この解釈に違反していると、それは不正請求となります。
また、自分たちの仕事で、利用者さんからいくらいただいているのか?ということも明確にわかります。
続いて、厚生労働省からの通知である
介護保険最新情報
介護報酬の解釈に加えて、日々、ルールが変更されていきます。
毎月、いくつも通知が出ますので、毎週チェックするようにしましょう。
その他にも様々な情報がありますが、
介護報酬の解釈と、介護保険最新情報
この2つは必須のルールであり、マニュアルですので、しっかりと読み込んで理解しましょう。
これがわかっていないと、介護保険課等のお役所からの指導に対して、正しく対応する事ができません。
お役所も誤った指導をすることがありますので、その際に、根拠をきちんと示して確認することが大切です。
関連情報
社会保険研究所 介護報酬の解釈
https://shop.shaho.co.jp/
介護保険最新情報
https://www.wam.go.jp/gyoseiShiryou/detail-list?bun=020060090
中編・後編はこちらからご覧ください
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